メルカリでの新たな発見
最近、メルカリでレッドウィング2206を購入しました。90年代製造とのことで、すでに30年近い歳月を経た個体ですが、コンディションは良好で、これからも長く愛用できそうな状態でした。
2206として売られてはいましたがあまりデータがなく、信じるしかないかなというものです。レッドウィング製なのは間違いないです。2206は、通常のポストマンシューズとは大きく異なる特徴を持つ、興味深いモデルです。

購入時の状態。
レッドウィング2206の特徴
スーパーソール採用の希少性
2206の最大の特徴は、通常のポストマンシューズ(101など)とは異なり、スーパーソールを採用している点です。一般的なポストマンがクッションクレープソールを使用するのに対し、2206はレッドウィング社が1970年代に開発し特許を取得したスーパーソール製法による底付けが施されています。スーパーソールといえば8133が思いつきますが、ポストマンでスーパーソールの組み合わせという稀有な存在に惹かれました。

モカシントゥデザイン
通常のポストマンシューズがプレーントゥデザインであるのに対し、2206はモカシントゥを採用しています。これにより、よりカジュアルで親しみやすい表情を持っています。
スーパーソール製法の背景
1970年代の技術革新
スーパーソールとは、レッドウィング社が1970年代に開発し特許を取得した靴の底付け製法です。当時、アメリカのワークブーツ業界では低コスト化とセメント製法への移行という大きな流れがありました。
その中で、比較的低コストでありながら従来の製法に劣らない耐久性を持つ靴を作る製法として開発されたのがスーパーソール製法でした。
製法の特徴
スーパーソール製法では:
- ウエルトを中底に縫い付ける工程まではグッドイヤーウエルト製法と同じ
- その後、靴本体をソールのモールド(鋳型)にセットして発泡ウレタンを流し込み
- アッパー下部のウエルト周りまでしっかりと成型
これにより、グッドイヤーウエルト製法に勝るとも劣らない頑強な靴となり、セメント製法では使用できない高品質オイルドレザーの使用も可能になりました。
ポストマンシューズの系譜
基本モデル101の存在
ポストマンシューズの代表格は、1954年に発売された101です。これは「ポリスマン、ポストマンまたステーションオフィサー(駅員)用の靴」として開発され、USPS(米国郵便局)に採用されたことで「ポストマン・シューズ」の愛称で呼ばれるようになりました。

ポストマンといえばのSR/USAタグ。2206にもちゃんとついています。
バリエーションモデルの存在
レッドウィングでは過去に106、2206、8999など、複数のポストマンシューズのバリエーションが存在していました。これらは基本的な機能性を保ちながら、異なる仕様や製法を採用したモデルでした。
2206もその中の一つとして、スーパーソール製法を採用した特別なポストマンシューズとして製造されていたと考えられます。
実際の着用感
気に入っているポイント
スーパーソールの優秀さ: 発泡ウレタンのソールはグリップ力や耐摩耗性、クッション性に優れており、結果として軽量で耐久性に優れたコストパフォーマンスの高い靴となっています。通常のポストマンとは明らかに異なる履き心地を提供してくれます。
モカシントゥの魅力: プレーントゥよりもカジュアルな印象を与えるモカシントゥは、様々なスタイリングに対応できる汎用性の高さが魅力です。
インソールのクッション性: レザーの代わりに低反発ウレタン素材ポロンを使用した中底により、優れたクッション性を実現しています。長時間の使用でも疲れにくい設計は、さすがワーカー向けに開発された靴だと感じます。
現在の課題点
フィッティングの調整が必要
親指外側の圧迫感: 現在のところ、親指の外側が当たって多少痛みがあります。まだ革が馴染んでいない部分もあり、継続的な使用により改善が期待できそうです。
重量感
スチールトゥの影響: 先芯がスチールトゥのようで、通常のポストマンに比べて重量感があります。安全性は高いものの、日常使いでは少し重く感じることがあります。
これらの点は、ワークシューズとしての機能を重視した結果であり、慣れと共に問題は軽減されると思います。
スーパーソール製法の注意点
修理に関する制約
スーパーソールを使用した商品の重要な特徴として、ソール交換ができないという点があります。これは、ダイレクト・インジェクション製法による底付けが施されているためで、日本での一般的なソール交換は対応不可となっています。
このため、アッパーのケアをしっかりと行い、ソールを大切に使用することが長期愛用の鍵となります。
90年代製造個体の価値
ヴィンテージとしての魅力
90年代製造ということは、すでに生産から約30年が経過している計算になります。この時代のレッドウィング製品は、現在とは異なる仕様や品質特性を持つことがあり、ヴィンテージアイテムとしての価値も有しています。
コンディションの良好さ
メルカリで購入した個体は、30年近い年月を経ているにも関わらず良好なコンディションを保っています。これは、スーパーソール製法の耐久性の高さと、前の持ち主による適切な保管・使用の証明でもあります。

平紐に変えました。私はこちらの方がフィットした履き心地になり好みです。
これからの付き合い方
エイジングの楽しみ
すでに30年の歴史を持つこの2206ですが、これからも私なりの使い方でさらなる変化を楽しんでいきたいと思います。スーパーソールは修理ができない分、より大切に扱いながら、その独特な履き心地を堪能していきます。購入してすぐに純正のニーツフットオイルを塗布しました。ガラスレザーではないので、101とは違う育ち方をするでしょう。
まとめ
レッドウィング2206は、通常のポストマンシューズとは異なるスーパーソール製法を採用した希少なモデルです。モカシントゥデザインとスーパーソールの組み合わせにより、他では味わえない独特な履き心地と見た目を提供してくれます。
90年代製造という年代を考慮すれば、メルカリでの発見は幸運でした。現在のフィッティングの課題はありますが、これも含めて靴との付き合い方の一部として楽しんでいきたいと思います。
スーパーソール製法という特殊な技術による靴を体験できることは、レッドウィング愛好家としても貴重な経験となっています。
※スーパーソール製法に関する情報は、レッドウィング社の公式説明に基づいています
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